高齢者施設でのお話です。私はパートとして、3年間高齢者施設で働き(介護の仕事ではなく調理の仕事だったのですが)比較的元気で、自分で活動のできる大勢の高齢者の方と触れ合うことができました。
現在自分の父が認知症を患ってて長い介護生活が続いているため(私は遠距離介護ですが)、高齢者の方の普段の生活を知るという意味でも介護施設で働いた経験はこの先も活かされると思っています。
お洒落な女性は歳を重ねてもお洒落を忘れない
施設に入居している方は、ほとんどが70代後半から90代。あと少しで100才目前という方もいました。特に女性はそれまでの生活スタイルが施設に入っても垣間見られるので、新しい人が入居する際には楽しみにしていました。
若い頃はおしゃれだっただろうと思われる人は、着ている服もおしゃれ。花柄やピンクの服や小物をたくさん身につけている人もいます。帽子のおしゃれが大好きで、帽子を毎日変えてデイサービスに出かける人もいました。
たとえ施設に入居したとしても、その毎日は意外と忙しいものです。特に元気で頭もはっきりしっかりしている方は、連日デイサービスに出かけておしゃべりするのを楽しみにしている方も多いので、出かける時は気分も上がっているようでした。
男性も身だしなみに気を使う人は社交性もある人が多い
一方、男性はとかくスエットの上下などで過ごしてしまいがちです。でもお洒落な人は80代でもピンクのシャツを着こなしたり、きちんとボタン付きのシャツを着たり、身だしなみもパリッとしていました。そういう人は他の女性たちからのウケも良く、ニコニコと会話が弾んで楽しそうです。
歳を重ねても、男女問わず、身の回りに気を配れるかどうか(または身内が身だしなみに気を付けてあげられるかどうか)で、周りの人や介護スタッフの反応も変わってくるのだなと思いました。
月1回やってくる美容師さんを心待ちにする女性
そんな施設での毎日ですが、月に1回「訪問美容の時間」がありました。出張美容師が施設を訪れ、希望者にシャンプーカット、カラーリングまでしてくれるのです。当日の朝は髪も伸びてぼんやりとした印象だった方が、次の日の朝はちょっと明るめの髪の色に変わり、綺麗にセットされた髪で表情もイキイキと見えました。
あるおしゃべり好きな女性が「1人では上手く頭も洗えなくなったけれど、月に1回来てくれる美容師さんにゴシゴシと頭を洗ってもらって、カットしてもらうのが本当に楽しみなの。気持ちがいいのよ〜」と話していた言葉が忘れられません。
入浴する、髪を切る、男性なら髭を剃る。こうした身だしなみを整えることが、日々の生活の中のリズムを整え、気持ちよく毎日を送るために必要なのだと、高齢者の方々の美容師さんとの触れ合いを見ていて感じました。
施設に入ったらお洒落とは無縁では寂しすぎる
それまで一人暮らし、または家族と暮らしていた頃は当たり前だったことが、施設に入ったらおしゃれや身だしなみとは無縁。では寂しいし、気持ちも下がっていきますよね。「この年になって」とか「いまさら綺麗にしても」という人も多いですが、幾つになっても綺麗にスッキリ見えることで本人が嫌がることは無いのでは?
施設に訪れる家族も、身の回りのことにかまわなくなる自分の父母や祖父母の姿を見ていたら辛くなることでしょう。せめて散髪やヘアセットなどは、月1回出来る環境でいて欲しいと思います。
訪問美容はこれから必ず増えてくるサービス
コロナの影響で外出制限もかかり、普段以上に外へ出かけることが難しくなった今年。高齢者の方、施設に入居している方のために、高齢者を綺麗にする仕事はこれから必ず増えてくることでしょう。
訪問して「高齢者に美容を届ける」技術があれば、それが仕事に繋がり、しかも高齢者に喜んでもらえるのです。そんな知識の学べるのが「介護美容研究所」。「高齢者に美容を届ける」ための技術を習得できます。卒業後に「プロのケアビューティスト」として活躍する事を目的としたプロになるためのスクールです。
ケアメイク、ケアネイル、ケアエステ、ヘアスタイリング、アロマテラピー等カリキュラムが豊富に揃っており、「介護美容研究所」ではメイク、ネイルなどの高齢者向け美容を身につけます。現場実習では、実際に高齢者と触れ合う経験をし、技術を磨くことで「仕事としての介護美容」も学ぶことができます。こうした資格を持っていれば、就職活動のハードルも一気に下がることでしょう。
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技術を学び、手に職をつけた仕事なら、年齢は関係なく長く続けられるのでは無いでしょうか。学んだ技術が誰かを喜ばせ、笑顔にできる仕事。高齢化が加速するこれから、とても必要な仕事だと思いました。