父が7年ほど認知症を患い亡くなりました。その時に本当にたくさんの「認知症」についての本を読みました。その中で厳選しておすすめな本を3冊ご紹介します。必ず役立つと断言できる本ばかりです!
認知症というものを漫画で解説。認知症の入門書
漫画家のニコ・ニコルソンさんが、祖母の介護の際に感じたことや知ったことを漫画で描いた本です。漫画の途中には、認知症の専門家である佐藤眞一さんの認知症についての詳しい解説が加えられています。
認知症って何ですか?突然怒り出すのはどうして?排泄を失敗してしまうのはなぜ?介護に疲れ果てました。どうしたらいいですか?など、介護者としては「あるある」なテーマをわかりやすく、ユーモアを交えて漫画と文章で解説してくれます。
認知症の介護を始めたばかりの人には特におすすめです。
認知症当事者の心の動きがよくわかり共感できる小説
医師で作家の久坂部 羊(くさかべ よう)さんが、自身の父親を介護し看取った経験から書かれた作品です。当事者でなければ書けなかった物語で、また医師だからこそ認知症の奥深くまで読者に知らせながら臨場感のあるストーリーを作り上げたのでしょう。
認知症を発症し、進んでいくことに苦しむ主人公と、介護に苦しめられる家族の物語。特に認知症の主人公が少しずつ文字が書けなくなっていくシーンは父の時にも経験があるので、とても共感し、思い出して切なくなりました。
介護の現場にいる人や現在介護中の人なら一気読みする小説です。
親を介護する子供の気持ちが痛いほどよくわかるノンフィクション
電車の駅の書店で目に留まり、読み始めたら止まらなくなり、目的地までずっと読み続けた本です。科学ジャーナリストの松浦晋也さんの細かな記録がとてもわかりやすく読みやすかったです。50代男性の松浦さんが、実家に母と同居しながら、独身生活を送っていたところ、母親が認知症を患ったことで日々の生活が少しずつ変化していく過程を描いていきます。
仕事と介護で精神的に追い詰められていく過程が、父の介護で疲弊していた頃の母の精神状態と重なり、当時を思い出して、読みながら胸が苦しくなることもありました。
周りに助けを求めず、1人で頑張ろうとしていた頃の松浦さんと、周りの助けを得て少しずつ自分を取り戻していく松浦さん。介護は一人で背負うものではないのだということを教えてくれます。
介護する、見守る側が、認知症について知ることから始めよう
まず知識をつける。これに尽きるなと思います。当事者だった母に、遠くに住む私ができることといえば、母の気持ちが楽になるように、共感できるように、認知症について知ることが出来るよう、本を送ることでした。
これらの3冊は大切に今でも取ってあります。今認知症の人が周りにいて悩んでいる方の少しでもお役に立てれば幸いです。